RoAD to the L4 自動運転レベル4等先進モビリティサービス
研究開発・社会実装プロジェクト

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各地の取り組み:岐阜市

1.運行地区の情報

岐阜市提供

◆人口(住民基本台帳人口、令和7年10月1日現在)

  • 市町村の総人口:約397,000人
  • 運行地区の総人口:約15,000人

◆運行地区に関する情報

  • 人口減少と少子化・高齢化の進行、都市の活力低下など様々な都市づくりの課題を抱える
  • 昭和46年からの約40年間で自動車分担率は2倍以上の約7割となるなど、自動車への依存度が高い
  • 市内の運行事業者である岐阜乗合自動車(株)においては、運転手の約7割が50代以上となるなど、運転手不足の解消や若い世代の担い手確保が課題となっている
  • 路線バスの利用者数は、コロナ禍により約7割に減少し、その後回復傾向にあるものの、以前の水準までは戻っていない

2.事業概要

◆取り組み体制

  • 事業主体:岐阜市
  • 運行業務の受託者:BOLDLY株式会社
  • その他、自動運転システムの設計・運行に関与している企業・団体:
    • 岐阜乗合自動車株式会社(オペレーター、遠隔監視者)
    • 株式会社日本タクシー(オペレーター)

◆導入フェーズ

  • レベル2の事業:実証実験
  • レベル4の事業:令和7年度中に実証実験を実施予定

◆運行期間

  • レベル2 2023年11月25日~ 全国初の中心市街地における、5年間の継続運行を実施中
  • レベル4 2025年度中 新車両による実証実験を実施予定

3.導入の経緯・目的

◆導入の目的、解決しようとした課題及び期待する効果

  • 持続可能な公共交通ネットワークを確保するため、運転手不足など様々な課題に対する一つの解決策として公共交通への自動運転技術の導入が不可欠だと考えている
  • 特に、岐阜駅周辺から岐阜公園までをつなぐ地域を岐阜市のセンターゾーンとして位置づけ、エリアそれぞれの個性を際立たせながら、さらに魅力ある空間へと導くために、エリア間を繋ぎ、連携軸の強化を図ることが重要であると考えており、この連携軸において自動運転バスを運行することで、回遊性を向上させ、中心市街地における様々な施策との相乗効果が生まれることを目指す
  • トップランナーとして全国を牽引することで都市の魅力が向上することによるシビックプライドの醸成や、 観光施設等とのタイアップなど新たなツーリズムを構築することによる、まちづくり・経済の活性化、EVバス運行による温室効果ガスの削減に伴う環境負荷の軽減など、交通分野以外への様々な波及効果に期待している

◆自動運転導入以外に検討・導入した取り組み

  • -

4.自動運転システムの概要

4.1 車両

◆使用車両

  • NAVYA社(ARMA)
  • 着座定員11名(乗員を含む)

◆車両数

  • 全保有台数:リース3台
    (同時運行:平日:2台、土日祝日:3台)
  • 路車協調:
      【信号協調システム】
    • ルート上の信号交差点全36箇所において整備を完了
    • 【路車協調システム】
    • ルート上の主要な3箇所において整備を完了
    • 信号交差点右折 / 交通量が多い幹線道路への流入

◆車両・塗装のデザイン

  • 公共交通のデザインで著名な水戸岡鋭治氏が手掛けた車両外観、内装、バス停及び愛称とすることで認知度拡大、社会受容性向上を図っている(写真参照)
  • 公募型プロポーザル方式による運行業者選定に当たり、本市の歴史風土と調和し、既に導入されている連節バス(水戸岡鋭治氏デザイン)のような本市の公共交通のシンボルとなる優れたデザインとする提案を受け、審査・協議を経てデザインを決定

4.2 ルート

岐阜市提供

◆路線

  • 2路線(往復ルートで平均約7㎞)
  • 中心部ルート:5km、岐阜公園ルート:9km

◆ルートの特徴

    【2ルート共通の特徴】
    • 交通量が多い中心市街地の幹線道路を走行
      【中心部ルート(約5㎞/周)】
    • 地域公共交通の骨格となる幹線軸(8幹線2環状)の1つである、既存バス路線の中心部ループ線と同じ路線
    • 中心市街地を走行することにより、市民をはじめとする多くの方が自動運転を体感可能
      【岐阜公園ルート(約9㎞/周)】
    • 古いまちなみが残る川原町や岐阜公園などを巡る路線で、一部区間は歩道と車道が分離されていない狭路
    • 市民に加え、観光客を含む来街者が乗車できる観光向けのルート
      【運行ルートや停留所名等の詳細】
    • (地図参照)

4.3 費用負担

◆活用した国・都道府県の補助事業

  • 累積金額:342,325千円
  • 主な使途:運行準備費、運行経費、インフラ整備費、アンケート調査費など
  • 直近の年度の金額: 79,500千円(2024年度)
  • 近の年度に活用した国・都道府県の補助事業の名称:
    社会資本整備総合交付金
    地域公共交通確保維持改善事業費補助金

◆活用した民間資金源及び金額

  • 累積金額:-
  • 主な使途:-
  • 直近の年度の金額:-
  • 活用した民間資金源:-

◆自治体負担額

  • 累積金額:542,435千円
  • 主な使途:運行経費、システム関連費、インフラ整備費、アンケート調査費など
  • 直近の年度の金額:113,598千円(2024年度)

◆直近年度の運行コスト

  • 直近の年度の金額:143,668千円(2024年度)
  • 主な使途:運行経費、システム関連費など

◆事業性向上のために工夫していること

  • 収入拡大に向けた企業版ふるさと納税制度の活用
  • 視察を無償で受け入れ他地域への横展開を目指すことにより、将来的な運行コスト低減を期待
  • 1人の遠隔監視者が複数台の車両を管理する体制を構築し、将来的な労務費の縮減に向けた検証を推進

4.4 運行実態

◆運行日・便数

    中心部ルート
  • 平日運行
  • 12便
    岐阜公園ルート
  • 土日祝日運行
  • 3便

◆配置スタッフ

  • 1便に乗車・従事しているスタッフ
    • 運転士:1人
    • 保安員:0人
    • 遠隔監視員:1名
    • その他 :-
  • 遠隔監視員等が対応する車両数:最大3台/人

4.5 利用実態

◆1日平均利用者数

  • (2023年11月25日~2025年9月30日実績)118人/日

◆利用者の特徴

  • 利用目的(多い順)
    • 買い物等
    • 食事・社交
    • 通院(薬局を含む)
  • 利用者の年代(多い順)
    • 40~50代
    • 60代~70代

5.住民・議会への説明

◆住民への説明

  • 運行地区の住民向けの説明会の実施時期・回数:-
  • その他住民の認知度向上・理解促進のために取り組んだこと:
    • シンボリックなバスラッピング
    • 水戸岡氏による、公共交通のシンボルとなるデザイン
      モビリティマネジメント
    • 市内の全小学校(48校)を対象に自動運転バスを活用したモビリティマネジメントを実施し、未来を担う子ども達が先進技術に触れる機会を創出
    • 令和6年度末までに、計15校、約800名が参加し、令和7年度は、21校、約1,500人が参加予定
      沿線住民向け試乗会
    • 沿線の4地区において住民試乗会を開催し、約60名が参加
      その他取り組み
    • 各種イベントにおける乗車体験の実施
    • SNSを活用した乗車プレゼント企画の開催
    • 啓発看板設置による、他の道路参加者の理解醸成の促進
    • 補助犬ユーザーや車椅子利用者などの交通弱者からの受容性向上を目指した、関係団体等への意見聴取

◆議会への説明

  • 運行地区の住民向けの説明会の実施時期・回数:毎年1回以上

6.事業者のコメント

◆事業が地域に与えている効果

  • 乗客のうち、市外からの来街者が4割以上を占めるとともに全体の25%が県外からとなっているほか、県外から視察に訪れた議員視察団のうち約4割が市内に宿泊するなど、観光・経済の活性化に寄与
  • 観光業界(市内宿泊施設団体)からは、「自動運転バス目当ての県外旅行客増加を実感している」など、好意的な反応
  • 海外から視察に訪れた研究者からは、「日常生活の移動に自動運転技術が溶け込んでいるのは世界的にも岐阜市のみ」など、世界をリードする取り組みとの評価を受け、市民のシビックプライド醸成に寄与
  • 様々な取り組みの結果、路上駐車の台数が運行開始から1年で約12%減少するなど、着実に社会受容性が向上先進的なイメージ

◆工夫した点

  • 2019年4月に「岐阜市公共交通自動運転技術活用研究会」を設立し、学識経験者や警察、交通事業者など各分野からご意見をいただきながら、段階的に取り組みを推進することで、関係者や地域住民等の理解を醸成
  • 岐阜駅周辺、柳ケ瀬、つかさのまち(市役所周辺)、岐阜公園の4つのエリアと、エリア間をつなぐ2つの連携軸を岐阜市の「センターゾーン」と位置づけ、まちの魅力や潜在的価値の向上に資する様々な施策を実施している中、エリア間の回遊性を高め、人の流れを促す取り組みの一つとして自動運転バスを運行し、連携軸の強化を図るなど、まちづくりと連携し事業を推進
  • 他地域への横展開促進のため、視察は無料で積極的に受け入れた
  • 将来的な交通事業者による自動運転バス運行を見据え、地元交通事業者が参画する運行体制を構築

◆苦労した点

  • 運行ルートが重複する路線バス運行事業者との協議・調整
  • 通年運行を実施する中で把握した課題への対応
    • ① 夏季のエアコン稼働時におけるバッテリー残量低下に対応するための車両入替等オペレーション手順の構築
    • ② 予測困難な局地的豪雨や冬季における路面凍結など、気象・道路状況等に起因する運休の判断及び対応
  • オペレーターや遠隔監視者をはじめとする人材の確保

◆今後の発展に関して構想していること

  • 2025年度中に、全国初の中心市街地におけるレベル4を実現
  • 5年間の継続運行終了後(2028年度以降)を見据え、運行体制及びビジネスモデルの構築に向けた取り組みを推進

7.担当窓口・関連資料

◆担当窓口

  • 都市建設部交通政策課

◆自動運転を紹介しているWebサイトや資料