各地の取り組み:常陸太田市
1.運行地区の情報
◆人口(住民基本台帳人口、令和7年1月1日現在)
- 市町村の総人口:約46,400人
- 運行地区の総人口:約6,200人
◆運行地区に関する情報
- 商業用地を中心に、市街地・駅周辺を巡る「北回り」、「南回り」の2ルートを運行している
- 坂道が多く、高台と平地の横移動が歩行では容易ではない
- マイカーが移動の中心だが、高齢者が多い(高齢化率約43%。県内市1位)
- 冬季の降雪はほぼ無く、運行ルート上の積雪も無い
2.事業概要
◆取り組み体制
- 事業主体:常陸太田市
- 運行業務の受託者:
株式会社マクニカ - その他、株式会社みつばモビリティ
◆導入フェーズ
- レベル2の事業:社会実装
- レベル4の事業:2026年度初旬に一部区間で実証実験を実施
◆運行期間
- 2024年2月18日~継続中 レベル2自動運転サービス開始
- 2025年2月16日~継続中 車両台数、運行ルートを拡充
3.導入の経緯・目的
◆導入の目的、解決しようとした課題及び期待する効果
- 地域公共交通における運転手不足に対応し、安定的な公共交通サービスを確保する
- 高齢化の進展に伴う免許返納者や自動車を持たない住民の移動手段を確保し、移動格差の解消を図る
4.自動運転システムの概要
4.1 車両
◆使用車両
- Navya Mobility SAS(EVO)
- 着座定員9名(乗員を含む)
◆車両数
- 全保有台数:購入2台
(同時運行:2台) - 利用される方だけでなく、通行人や他の運転手等も考慮し、デザインには以下の点を重視した。
- 視認性と安全性の確保ー生活道路を走行することから、周囲から一目で認識していただける配色を重視し、結果として「ピンク色」を基調としたデザインが高く評価された
- 親しみやすさ・地域性の表現ー常陸太田市らしさを発信しながら市民の皆様に愛着を持っていただけるかを判断基準とし、幅広い世代の方に親しんでいただける印象のデザインとして、本市公式キャラクターの「じょうづるさん」をデザインに取り入れた
- 市の魅力発信への寄与ー車両そのものが市の広告PRツールとなるよう、インパクトやストーリー性のあるデザインを評価基準とした
◆車両・塗装のデザイン
4.2 ルート
◆路線
- 2路線(往復ルートで平均約7㎞)
- ①市役所→東部商業施設→くじらヶ丘商店街→常陸太田駅→市役所までのルート(北回り約7.7km)
- ②市役所→常陸太田駅→くじらヶ丘商店街→東部商業施設→市役所までのルート(南回り約7.0km)
◆ルートの特徴
- 右図参照
4.3 費用負担
◆活用した国・都道府県の補助事業
- 累積金額:330,000千円
- 主な使途:車両購入、車庫整備、バスロケーションシステム整備
- 直近の年度の金額: 51,800千円(2025年度)
- 近の年度に活用した国・都道府県の補助事業の名称:
地域公共交通確保維持改善事業(国土交通省)
◆活用した民間資金源及び金額
- 累積金額:100,000千円
- 主な使途:運行経費
- 直近の年度の金額:20,000千円
- 活用した民間資金源:企業版ふるさと納税
◆自治体負担額
- 累積金額:92,000千円
- 主な使途:運行経費
- 直近の年度の金額:37,000千円
◆直近年度の運行コスト
- 累積金額:97,000千円
- 主な使途:運行経費
◆事業性向上のために工夫していること
- 視察有料受入れの検討
4.4 運行実態
◆運行日・便数
- 全日運行
- 6便
◆配置スタッフ
- 1便に乗車・従事しているスタッフ
- 運転士:1人
- 保安員:0人
- 遠隔監視員:1名
- その他 :0人
- 遠隔監視員等が対応する車両数:2台
4.5 利用実態
◆1日平均利用者数
- 36人/日
◆利用者の特徴
- 利用目的(多い順)
- 買い物等
- 観光・レジャー等
- 通院(薬局を含む)
- 利用者の年代(多い順)
- 60~70代
- 40~50代
5.住民・議会への説明
◆住民への説明
- 運行地区の住民向けの説明会の実施時期・回数:10回
- その他住民の認知度向上・理解促進のために取り組んだこと:
- 出前講座
- 朝市での試乗会
- 夏祭り等のイベント出展
- 地域コミュニティの利用
◆議会への説明
- 取組開始前、購入時、運行後 20回以上
6.事業者のコメント
◆事業が地域に与えている効果
- 少子高齢化が進む本市では、免許返納者や自家用車を持たない市民、高齢者など移動手段に不安を抱える層に対し、安定した「足」を提供することで、買い物・通院・交流の機会を確保し、外出控えの解消や健康維持など地域の移動課題を改善し、生活の質向上に寄与している
- 商業施設へのアクセス向上と回遊性を高め、地域経済の活性化にも貢献している
- 将来的なレベル4運行を目指すなど、先進技術への関心を高めることで、運転手不足が深刻化する中でも、地域ブランド力の向上やシティプロモーションにも寄与している
◆工夫した点
- 停留所を生活動線上に配置し、買い物・通院など日常利用しやすいダイヤを設定することで、利便性を高めるとともに、予約不要・利用料金無料とし、初めて利用する方でも安心して乗車できる環境を整えた
- 愛称「じょっピー」(公募をおこない地元小学生の愛称が採用された)やオリジナルラッピングを施し、子どもから高齢者まで親しみを持てるデザインとしたほか、試乗会やイベント連携によって認知度向上を図り、地域全体での受容性を高めている
◆苦労した点
- 当市で使用する車両が定常運行では国内初であったことから、県警察、道路管理者と協議を重ね、安全看板や路面標示の設置、通退勤時間を避けての運行を実施するなど、安全面での配慮を徹底した
- 財政面では、車両2台と車庫等を含め、多額のコストがかかり、補助金を活用しながら財源確保を進める必要があった
- 住民理解においては、地域イベントでの試乗会を重ね、実際に乗ってもらうことで不安解消と受容性向上に努めた
◆今後の発展に関して構想していること
- L4自動運転、運行ルートの拡充
7.担当窓口・関連資料
◆担当窓口
- 常陸太田市企画課
◆自動運転を紹介しているWebサイトや資料