各地の取り組み:大田区
1.運行地区の情報

◆人口
- 市町村の総人口:約739,700人
- 運行地区の総人口:運行エリア内に住居なし
◆運行地区に関する情報
- 区が公民連携によりまちづくりをした羽田イノベーションシティの街区内で運行
- 羽田イノベーションシティは、新産業創造・発信拠点として「先端」と「文化」をコア産業として民間事業者が運営
- スマートシティのテストベッド(実験の場)として位置付けているエリアであり、自動運転バスをはじめ、多数の先端的な研究開発の取り組みが行われている
2.事業概要

◆取り組み体制
- 事業主体:羽田みらい開発株式会社、BOLDLY株式会社
- 運行業務の受託者:株式会社セネック
- その他、自動運転システムの設計・運行に関与している企業・団体:
株式会社マクニカ、エストニアAuveTech社
◆導入フェーズ
- レベル2の事業:社会実装
羽田イノベーションシティでレベル2での運行実績を積み、6月にレベル4認可を取得。羽田空港第3ターミナル間の実証実験をイベント的にこれまでに複数回実施。 - レベル4の事業:社会実装
◆運行期間
- 2020年9月~継続中 レベル2自動運転バス
- 2024年8月~継続中 レベル4自動運転バス
3.導入の経緯・目的
◆導入の目的、解決しようとした課題及び期待する効果
- 運転手不足への対応
- 集客施設・観光施設へのアクセス手段の充実
- 全国への水平展開可能なモデルケースの確立
◆自動運転導入以外に検討・導入した取り組み
- なし
4.自動運転システムの概要
4.1 車両


◆使用車両
- NAVYA社(ARMA)
- 定員11名(乗員を含む)
- AuveTech社(MiCa)
- 定員8名(乗員を含む)
◆車両数
- 全保有台数:購入2台
(同時運行1台) - 路車協調:「自動運転実証調査事業と連動した路車協調システム実証実験」を令和5年度に実施
◆車両・塗装のデザイン
- 羽田イノベーションのコンセプトカラーでのラッピング
4.2 ルート
4.3 費用負担
◆活用した国・都道府県の補助事業
- 累積金額:130,000千円
- 主な使途:車両費、システム関連費等
- 直近の年度の金額: 約130,000千円(2023年度)
- 直近の年度に活用した国・都道府県の補助事業の名称:-
◆活用した民間資金源及び金額
- 累積金額:-
- 主な使途:-
- 直近の年度の金額:-
- 活用した民間資金源:その他(寄付、協賛、広告、視察収入以外)
◆自治体負担額
- 累積金額:0円
- 主な使途:-
- 直近の年度の金額:0円
◆直近年度の運行コスト
- 直近の年度の金額:-
- 主な使途:人件費、システム利用料、レベル4対応費用
◆事業性向上のために工夫していること
- 羽田イノベーションシティ内での定常運行分については、純民間事業として取り組んでいるため、運行コスト等の経費面の詳細は区として把握していない
4.4 運行実態

◆運行日・便数
- 全日運行
- 10便
◆配置スタッフ
- 1便に乗車・従事しているスタッフ
- 運転士:1人(レベル2運行時)
- 保安員:1人(レベル4運行時)
- 遠隔監視員:1人
- その他 0人
- 遠隔監視員等が対応する車両数:茨城県境町で複数台(20台ほど)の車両を1名〜2名で監視中
4.5 利用実態
◆1日平均利用者数
- 15人/日
累計7万1千人以上(2020年の定常運行開始以降)
◆利用者の特徴
- 利用目的:街区内のルートのため、国内外からの視察や一般の方の自動運転を体験したいという目的の乗車がほとんど
- 利用者の年代(多い順)
- 20代~30代
5.住民・議会への説明
◆住民への説明
- 運行地区の住民向けの説明会の実施時期・回数:1回
- その他住民の認知度向上・理解促進のために取り組んだこと:
- 羽田イノベーションシティでのイベント実施時のPR
- 子ども向け自動運転ワークショップの開催
◆議会への説明
- 議会での説明の実施時期・回数:
レベル4取得に関する状況報告等、適時対応
6.事業者のコメント
◆事業が地域に与えている効果
- 羽田空港隣接地における自動運転バスのショーケースとして国内外から注目を集めている。国内外から多数の視察を受け入れており、大田区の認知度向上と自動運転バスの水平展開に大きく寄与していると考えている。
- 羽田イノベーションシティの象徴的な取り組みとなっており、他の分野も含む最先端の研究開発を区内へ誘引することにも寄与していると考えている。これまでの実績を踏まえて、区内への自動運転バスの延伸について、区としても2024年度実証実験を行う予定。
◆工夫した点
- 民間事業者の独自の取り組みとして、国内最多の実績を積み重ねてきた
- 区としても羽田イノベーションシティの象徴的な取り組みとして、区広報紙などを活用して、区民への周知に協力してきた。
◆苦労した点
- 羽田イノベーションシティでの取り組みは、住民のいない環境で実験的な走行としてスムーズに実績を積み重ねることができたが、今後、区内陸部の道路での展開を想定すると、これまで以上に住民の理解促進や道路環境(渋滞可能性)などについて丁寧な説明や調整を行い、社会受容性を高めていくことが必要になると考える。
◆今後の発展に関して構想していること
- 現在の民間事業者による羽田イノベーションシティでの取り組みとしては、羽田空港までの延伸に意欲を示している。区としては、内陸部における自動運転バスの実証実験を令和7年1月に実施を予定している。
7.担当窓口・関連資料
◆担当窓口
- 産業経済部産業振興課(羽田イノベーションシティ内での取り組みに限る)
◆自動運転を紹介しているWebサイトや資料