各地の取り組み:塩尻市
1.運行地区の情報

◆人口
- 市町村の総人口:約65,100人
- 運行地区の総人口:約10,000人
◆運行地区に関する情報
- 市街地
- 運行地区の交通として、AI活用型オンデマンドバス「のるーと塩尻」、タクシーが存在する
- AI活用型オンデマンドバス導入済、モビリティデータダッシュボードによる事業効果分析が可能
2.事業概要


◆取り組み体制
- 事業主体:塩尻市、一般財団法人塩尻市振興公社
- 運行業務の受託者:アルピコ交通株式会社
- その他、自動運転システムの設計・運行に関与している企業・団体:
アイサンテクノロジー株式会社、株式会社ティアフォー他
◆導入フェーズ
- レベル2の事業:実装レベルにあるが、レベル4に向けた実証走行中のため、運行休止中
- レベル4の事業:実証実験
◆運行期間
- 2024年1月22日~2024年3月20日(うち14日間運行)
3.導入の経緯・目的
◆導入の目的、解決しようとした課題及び期待する効果
- 運転手不足への対応
- 高齢者運転者等による交通事故増加への対応
- 自動車の非保有者、免許返納者への交通手段の提供
◆自動運転導入以外に検討・導入した取り組み
- オンデマンドバスの社会実装
- MaaSアプリの構築
- モビリティダッシュボードによるデータ分析
- 自動運転に期待した役割:企業集積、交通DX含めた新たなDX事業推進
4.自動運転システムの概要
4.1 車両

◆使用車両
- ティアフォー(Minibus)
- 定員15名(乗員を含む)
◆車両数
- 全保有台数:購入1台
(同時運行1台) - 路車協調:信号連携、スマートポール
◆車両・塗装のデザイン
- 地域DXセンターcore塩尻パートナー企業との共創事業として車両ラッピングを実施。サービス実装に向けて事業認知度を高めるため、「自動運転バス」ということがわかる・認知が向上するデザインとした
4.2 ルート

◆路線数
- 3路線
◆運行距離(往復もしくは一周の平均距離)
- 1.4km
◆ルートの特徴
- 駅→高校を結ぶ高校生の乗車を想定したルート
- 駅・市役所・交流施設を巡る日中の移動手段としての活用を想定した市街地ルート
4.3 費用負担
◆活用した国・都道府県の補助事業
- 累積金額:500,000千円
- 主な使途:車両購入、走行環境構築(地図作成、車両調律、インフラ機材等)、システム保守・運用費、実証事業費等
- 直近の年度の金額: 110,000千円(2024年度)
- 直近の年度に活用した国・都道府県の補助事業の名称
: 自動運転社会実装推進事業(国土交通省)
◆活用した民間資金源及び金額
- 累積金額:1,100千円
- 主な使途:実証事業費
- 直近の年度の金額:100千円(2024年度)-
- 活用した民間資金源:寄付、視察収入
◆自治体負担額
- 累積金額:68,000千円
- 主な使途:車両修繕費、点検・整備費、各種税・保険料、労務費
- 直近の年度の金額:3,000千円(2024年度)
◆直近年度の運行コスト
- 直近の年度の金額:110,000円(2024年度)
- 主な使途:走行環境構築(地図作成、車両調律、インフラ機材等)、システム保守・運用費、実証事業費等
◆事業性向上のために工夫していること
- 寄付金・協賛金・広告収入等による事業収益性確保
- 地域人材活用による運用コストの低減
4.4 運行実態
◆運行日・便数
- 期間限定による運航
- 17便
◆配置スタッフ
- 1便に乗車・従事しているスタッフ
- 運転士:1人
- 保安員:1人
- 遠隔監視員:1人
- その他 0人
- 遠隔監視員等が対応する車両数:1台/人
4.5 利用実態
◆1日平均利用者数
- 80人/日
◆利用者の特徴
- 利用目的(多い順)
- 視察・試乗
- 通学・学習
- 通勤・仕事
- 利用者の年代(多い順)
- 40代~50代
- ~10代
5.住民・議会への説明

◆住民への説明
- 運行地区の住民向けの説明会の実施時期・回数:1回
- その他住民の認知度向上・理解促進のために取り組んだこと:
- 小中高校への出前講座及び試乗会
- 高齢者向け自動運転講座及び試乗会
令和4年度から実施している小中学校対象自動運転出前講座・試乗会
講座参加者全員から自動運転の仕組みが「わかった」と回答があり、「もっと詳しい内容を勉強したい」「センサーは複雑な形でも感知できるか知りたい」など、意欲的な様子が見られた。
◆議会への説明
- 議会での説明の実施時期・回数:4回
6.事業者のコメント
◆事業が地域に与えている効果
- 交通DX分野の企業集積と新たなDX分野へのチャレンジ
- 小中高大学生への先端技術を活用したDX体験機会の創出
- 地域デジタル人材の活躍フィールドの提供
◆工夫した点
- サービス実装に向けた事業計画策定やサービス実装後を見据えた地域交通における自動運転のあり方について検討を行い、持続可能な研究開発及び社会実装を目指すためにコンソーシアムを組成
◆苦労した点
- 事業評価、検証の会議体構築:国事業を実施するにあたり、評価検証等の会議体構築が求められるケースがあり、複数の会議体を兼ねた協議会を構築している。会議体の整理やステークホルダーの増加に伴い、事前調整などの業務が増加している。
- 地域における受容性の向上:地域内において自動運転を受け入れていただくため、試乗会や説明会のほか、小中高大学生向けの施策などを実施してきた。実施にあたって自治会や教育委員会などとの協力体制の構築に時間がかかった。
◆今後の発展に関して構想していること
- レベル4運行ルートの延伸
- 運賃収入以外の収益性拡大施策実施
7.担当窓口・関連資料
◆担当窓口
- 塩尻市先端産業振興室
◆自動運転を紹介しているWebサイトや資料