各地の取り組み:和光市
1.運行地区の情報

◆人口(住民基本台帳人口、令和6年1月1日現在)
- 市町村の総人口:約84,700人
- 運行地区の総人口:約15,500人
◆運行地区に関する情報
- 武蔵野台地の周縁部に位置することから、坂が多く、高齢者の移動が困難な状況にある
2.事業概要
◆取り組み体制
- 事業主体:和光市
- 運行業務の受託者:
東武バスウエスト株式会社(運行主体) - その他、自動運転システムの設計・運行に関与している企業・団体:
先進モビリティ株式会社(運行システム及び車両提供事業者)、アイサンテクノロジー株式会社(三次元地図作成事業者)
◆導入フェーズ
- レベル2の事業:社会実装、実証実験
- レベル4の事業:今後取り組んでいく予定
◆運行期間
- 令和5年8月28日~9月8日 1期社会実証
- 令和5年1月22日~3月15日 1期社会実装
- 令和6年11月15日~12月13日 2期社会実証
3.導入の経緯・目的
◆導入の目的、解決しようとした課題及び期待する効果
- 和光市内を含み広範にバス事業を展開する公共交通事業者において運転手不足に対応することで、運転手の最適配置を図るため
- 鉄道駅へのアクセス交通需要が存在し、自動車の非保有者や公共交通で駅にアクセスしたい人の移動需要が想定されるため
- 当該地域は高齢化が進展する一方、市内には坂が多いことから免許返納者に向けた公共交通手段の提供が必要なため
◆自動運転導入以外に検討・導入した取り組み
- 市内循環バスの運行見直し
- 自動運転に期待した役割:駅と産業拠点とを結ぶ交通軸の形成、市内循環バスへの技術の展開
4.自動運転システムの概要
4.1 車両

◆使用車両
- 日野自動車株式会社(ポンチョ)
- 着座定員12名(乗員を含む)
◆車両数
- 全保有台数:リース1台
(同時運行1台) - 路車協調:
路車協調型路側装置(LiDARやカメラセンサーで検出した情報をAI画像処理を用いて物標情報として処理し、路車協調路側装置からサーバーへ随時送信。そのサーバーに自動運転車両側からアクセスし、物標情報を取って停止、減速、追加を判断させる)
◆車両・塗装のデザイン
- リースのため、元の製品デザインからの変更なし
4.2 ルート
4.3 費用負担
◆活用した国・都道府県の補助事業
- 累積金額:117,000千円
- 主な使途:車両リース及びシステム構築、3次元地図データ作成、運営支援等
- 直近の年度の金額: 45,000千円(2024年度)
- 直近の年度に活用した国・都道府県の補助事業の名称
:令和4・5年度デジタル田園都市国家構想交付金(内閣府)、令和6年度地域公共交通確保維持改善事業費補助金(国土交通省)、令和5・6年度地域公共交通DX・コンパクト+ネットワーク促進事業補助金(埼玉県)
◆活用した民間資金源及び金額
- 累積金額:-
- 主な使途:-
- 直近の年度の金額:-
- 活用した民間資金源:-
◆自治体負担額
- 累積金額:73,000千円
- 主な使途:車両リース及びシステム構築、3次元地図データ作成、運営支援等
- 直近の年度の金額:7,000千円(2024年度)
◆直近年度の運行コスト
- 直近の年度の金額:53,000千円(2024年度)
- 主な使途:車両リース及びシステム構築
◆事業性向上のために工夫していること
- 将来的に民間路線バスのダイヤの一部またはすべてを自動運転バスに置き換えることを検討中
4.4 運行実態
◆運行日・便数
- 平日運行
- 3便
◆配置スタッフ
- 1便に乗車・従事しているスタッフ
- 運転士:1人
- 保安員:0人
- 遠隔監視員:0人
- その他 案内員1人(乗降の管理)、説明員1人(車内で事業の概要を説明)
- 遠隔監視員等が対応する車両数:0台/人
4.5 利用実態
◆1日平均利用者数
- 23.1人/日
◆利用者の特徴
- 利用目的:試乗・視察
- 利用者の年代:-
5.住民・議会への説明
◆住民への説明
- 運行地区の住民向けの説明会の実施時期・回数:18回
- その他住民の認知度向上・理解促進のために取り組んだこと:
- 民間施設へのポスター掲載
- 試乗会の開催
- 市民祭り等のイベントへの出展
- 地元高校生によるPR動画制作
- 駅前デジタルサイネージ掲載
◆議会への説明
- 議会での説明の実施時期・回数:
13回(議長報告10回、議会全員協議会3回)
6.事業者のコメント
◆事業が地域に与えている効果
- バス停の新設に伴い、地域住民の利便性が向上
- バス専用車線の整備による渋滞の緩和とバスの定時性確保
- 地域の活性化
◆工夫した点
- まずは自動運転バスと一般車とを分けて走行することができるよう、バス専用車線の整備を行って安全を確保した
- 1期社会実証で出た課題を1期社会実装では改善し、少しずつ前進をさせている(バス専用車線を走行する自動運転バスと一般車線を走行する一般車との接触回避による操舵介入を、車線内の自動運転車両の位置を調整することで改善)
◆苦労した点
- 前例がないことであり、また、バス専用車線の整備工事を経て、社会実証・実装を行っていることから、関係機関との協議や調整に時間を要して苦労した
◆今後の発展に関して構想していること
- 自動運転走行をバス専用車線区間のみでなく、一般車との混在区間にも段階的に増やしていく
- 車両の大型化も検討中
7.担当窓口・関連資料
◆担当窓口
- 公共交通政策室
◆自動運転を紹介しているWebサイトや資料