人材育成の取り組み
- キーワード
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- 自動運転スキル標準
- リスキリング
- 自動車サイバーセキュリティ
- 人材育成
A. 先進モビリティサービスに係る人材育成の取り組み
- 成果目標
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- 先進モビリティサービスのハード、ソフトの実現に係る人材や、地域ニーズと技術をマッチングする人材など多岐にわたる分野の人材の確保・育成方法を提言する
取り組み方針
- 自動車分野の産業構造が変革する中で、新しい人材の育成・確保が求められる。先進モビリティサービス分野において新たに必要とされる人材像、人材不足の実態、人材育成方法等について調査し、人材育成に係る課題について整理します。
- 地域におけるモビリティサービスの需要と技術のマッチングや自動運転サービス等の安全な運用などに関して、社会実装を担う人材の育成・確保の方策について検討を行います。
取り組み内容
①自動運転等の先進モビリティサービス分野で必要とされる人材像の整理
先進モビリティサービスに係る多様なステークホルダーに対する課題やニーズのヒアリング、先進モビリティの実証・実サービスの事例調査に基づき、新たに求められる重要な人材像を整理します。
■重要な人材像の整理結果(俯瞰図)
特に、安全確保や法規対応のため重要性が高まる自動車サイバーセキュリティを中心とした人材についてスキルを具体化します。
また、ヒアリングに基づき運行人材に関する人材像を整理します。
②認定講座に必要なスキルの具体化
自動車サイバーセキュリティに関する法規制、ガイドラインなどに基づきスキルの具体化を行い人材との関係を整理します。また、重要な人材像のうち、ヒアリングを通じて重要性が高いとされる人材像について整理します。
③課題整理と施策の提言
効果的な人材育成方法や民間の取組を後押しするために必要な環境整備等の調査をします。特にリスキル講座を活用した人材育成や、全国レベルでの実践経験のある高度人材の活躍推進等について提言をまとめます。
■環境整備の例:リスキル講座(第四次産業革命スキル習得講座認定制度)を活用した人材育成の推進策
④人材育成WGにおける報告
人材育成に係るWGにおける検討を通じて、人材育成方法等の施策案の改善を行います。
実施機関
株式会社三菱総合研究所
進捗状況
- 自動車サイバーセキュリティの技術・スキル体系を網羅的に整理中(2022年12月25日)
自動車型式認証における保安基準のうちサイバーセキュリティに係る要求事項をベースとして、国内外の主要なサイバーセキュリティ基準、技術、ソリューションを網羅的に整理し、スキル標準として整理中です。 - 自動走行ビジネス検討会(人材戦略WG)で報告(2023年2月)
- 自動運転分野の若手人材の裾野拡大を目的として、自動運転AIチャレンジ ForRookies大会を開催しました。(2023年8月)
結果は以下の通りです。
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1.開催概要
自動運転AIチャレンジ大会の一部として、若手人材を対象として、自動運転シミュレーターを活用して所定のコース「Jungle」を1周するタイムを競う大会を開催した。 -
2.参加者
184名 -
3.受賞者詳細は、こちら
1位 牧山 昂聖 佐賀大学大学院
2位 寺島 青 名古屋大学
3位 板東 新太 近畿大学工業高等専門学校
「自動運転AIチャレンジ For Rookie大会 開催報告」
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1.開催概要
自動運転等に関する人材育成海外動向調査
欧米の人材確保に関する動向およびアジアにおける人材市場、人材獲得に関する動向について調査した。欧米においては、自動車業界への認知度向上、待遇拡充、産学連携研究開発の促進などが重要な取組みとして示唆を得た。アジアにおいては、インド、ベトナム、タイ、インドネシアを対象にソフトウェア人材の供給市場とターゲットを特定し、日系自動車企業等のヒアリングを通じて、アジア人材獲得における課題と解決策について示唆をまとめた。
欧米の人材確保の取組み動向
欧米における人材確保の取組み動向
欧米における自動車分野のOEM、サプライヤー等の企業、大学研究機関、教育サービス、業界団体について人材獲得・育成に関する取組事例について調査した。その結果、企業によるIT系学生インターンに対する待遇拡充、ソフトウェアコミュニティへの貢献を通じたプレゼンスの向上、大学・研究機関における産学連携研究開発の推進と産業界への技術移転、教育サービスによるオンライン講座の評価結果のフィードバック、業界団体による標準開発基盤を通じた人材育成、生産性向上など注目される取組が抽出整理された。
欧米動向に基づく課題と施策の整理
欧米の取組み動向を参考に、国内における課題として、IT系学生・人材に対する自動車業界への認知度向上、産学連携による研究開発推進、標準開発基盤を活用した人材育成、リスキル認定制度における受講者フィードバック活用の重要性について示唆を得た。
| 区分 | 課題 | 根拠 | |
|---|---|---|---|
| 獲得 | 認知度 | 自動車ソフトウェア職種に対するIT系学生の認知度の低さ |
IT学生の就職先志望ランキングは、自動車業界は低く、SI、ITコンサルなどが上位。 組込系学生は自動車業界への志向が高いが、IT学生の志望は低いことが国内外の課題として挙げられる (ヒアリング・文献等) |
| 給与・処遇等 | IT人材に対する給与・処遇等の訴求力の低さ |
IT人材の転職・就職先の選定で重視する点は、給与、職場環境、開発環境が上位(国内外)。 国内IT人材の就業は、IT業界に集中し、自動車業界に誘引するためには訴求力向上が必要。 IT人材の給与水準は日本は米国に比べ50%以下。 |
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| 育成 | 産学連携・ イノベーション促進 |
産学連携によるイノベーションを促進する研究開発・人材育成の仕組みが不足 |
E2E自動運転、DARPAコンベ優勝など米欧大学の自動車先端研究事例は多いことから、 大学研究の産業技術移転は有望と考えられる。 イノベーション分野で産学連携が重要とされる中、欧米に比べ日本は、産学連携研究開発ファンディング、企業ニーズに連動した政府運営交付金、 教授の企業経験要件、兼任など産学連携の仕組みが不足。 |
| 生産性向上 | MBD、標準開発基盤を活用した開発効率化と人材育成が不足 |
MBD, AUTOSAR等の開発基盤による開発生産性の向上効果が示されている中、国際比較においてMBD, AUTOSAR日本の市場シェア・普及率は低い。 また、国際比較調査においてSDVによる開発生産性の課題が挙げられる。 |
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| 講座インセンティブ | 教育講座受講者に対するインセンティブ向上 |
教育講座の受講者成果物や評価結果を、人事評価に直接利用することで、教育講座受講のインセンティブ向上が期待できる。 海外では、講座修了証・評価結果を自動車業界の採用、配属などに直接利用する例が確認される。 |
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アジアにおける人材市場、人材獲得に関する動向
人材市場動向調査
欧米における人材確保の取組み動向
ASEAN地域等のアジアを対象に、ソフトウェア・IT人材の人数規模、日欧米のOEM・サプライヤーの進出状況、当該人材の育成に関する政府動向等を調査した。その結果、インド・ベトナム・タイ・インドネシアにおいて、ソフトウェア・IT人材の一定の人材供給量があり、また日欧米自動車企業も比較的進出しており、アジアからの人材獲得を図る際には当該国の人材をメインターゲットに据えることが有効、といった示唆を得た
人材獲得動向調査
上記4か国を対象に、人材獲得・育成に関する、自動車企業・大学・政府等の取組に関して調査した。
また、人材需要側として、日系自動車企業に、人材要件や人材獲得・育成上の課題、支援策等に関して聴取した。さらに、人材供給側として、アジア現地教育機関(大学)に、アジア人材が考慮する就業の際の重視点や、日本の自動車産業への就業意向等を聴取した。
その結果、言語上の障壁が大きく日本語教育プログラムの拡充等が望まれること、日系企業とアジア現地大学の交流が欧米企業よりも少なく、二者をマッチングさせるスキームの拡大が重要、といった示唆を得た。