テーマ2の取り組み
- キーワード
-
- 自動運転バス
- 廃線跡
- BRT専用道
- 中速
- 地域交通
テーマ2. 公道交差を含む専用道区間等におけるレベル4自動運転サービスの実現に向けた取り組み
- 成果目標
-
- 2025年度までにひたちBRT路線内の公道交差を含む専用道区間等において、レベル4自動運転サービスを実現
取り組み方針
- 廃線跡等の公道交差を含む専用道区間等における自動運転レベル4での実証及び社会実装の実現に向けた取組を推進します
- 上記の走行環境におけるレベル4自動運転の車両やシステムの開発を推進し、他地域展開に有用なODD設定等の事例を示します
- 乗務員乗車型や遠隔監視型のレベル4自動運転サービスにおける社会実装の横展開に有用なモデルを構築します
※乗務員乗車型:特定自動運行主任者と特定自動運行保安員を兼ねた乗務員が乗車する運行形態
※遠隔監視型:特定自動運行主任者(特定自動運行保安員兼務)が遠隔から監視する運行形態
取り組み内容(2025年度)
2025年2月3日より開始した乗務員乗車型レベル4自動運転移動サービスの長期営業運行で把握できるデータに基づき、技術面、制動面の課題を洗い出し、遠隔監視型レベル4への移行に向けた検討に活かします。また、遠隔監視型レベル4の運行の実現、および実現までの過程で得られる開発や許認可等のノウハウを整理し、持続可能な地域交通ネットワークの実現に貢献する成果創出を目指します。
2025年度は、目標に向かい、以下の取り組みを推進しています。
- 遠隔監視型レベル4の許認可取得、運行
- 可用性等の向上(可用性の向上、立乗り受入検討)
- 乗務員乗車型レベル4での長期営業運行
- 専用道外におけるレベル4自動運転化の検討/li>
- 継続的な事業の実現に向けた検討/li>
- EV自動運転バスによる走行検証と事業面での有用性の検討

ひたちBRTについて
ひたちBRTは、おさかなセンターから多賀駅前までの約8.7kmを走行する路線です。うち、南部図書館~河原子(BRT)間の約6.1kmが日立電鉄線廃線跡地を使用したBRT専用道区間となっています。(自動運転での運行区間は本ページ最下段を参照)
BRT専用道区間には、バス停が14箇所、一般道との交差部が11箇所、横断指導線(歩行者等の横断部)が15箇所(バス停に9箇所、走行路線上に6箇所)含まれています。また、車道と歩道の間にガードレール等がある場所や縁石のみで仕切られている場所が混在するうえ、対向バス車両とのすれ違いなど、さまざまな走行環境が含まれます。

自動運転バスの走行戦略と運行の様子
<基本的な安全走行戦略>
自動運転バスの運行の速度は、最高速度40km/h以下となるよう目標速度を設定しています。また、多様な歩道と車道の仕切り環境を踏まえ、専用道から2m以内に歩行者が存在する場合は歩行者の進入可能性を考慮した速度まで減速して通過するよう速度設定をすることで、安全性を確保しています。

■茨城県日立市で実証実験の様子(動画/2025年2月)
詳細はこちら
「RoAD to the L4プロジェクト成果報告会」2025.2.27講演資料
テーマ2:【ひたちBRT(茨城県日立市)】 公道交差を含む専用道区間等におけるレベル4自動運転サービスの実現に向けた取組 2025年2月27日 RoAD to the L4 プロジェクト成果報告会
「RoAD to the L4プロジェクト & スマートモビリティチャレンジ成果報告会」2024.2.28講演資料
【ひたちBRT(茨城県日立市)】 L4 MaaS対象エリア、車両の拡大、事業性向上の取り組み
「RoAD to the L4シンポジウム~自動運転の社会実装に向けた"いま"と"これから"」(内閣府SIP第2期自動運転 最終成果発表会同時開催)2023.3.8 講演資料
「さらに、対象エリア、⾞両を拡⼤するとともに、事業性を向上するための取組」
実施機関
2024~2025年度
- 株式会社日本総合研究所
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所
- 株式会社みちのりホールディングス
- 一般財団法人日本自動車研究所
- 先進モビリティ株式会社
2023年度
- 株式会社日本総合研究所
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所
- 株式会社みちのりホールディングス
- 茨城交通株式会社
- 一般財団法人日本自動車研究所
- 先進モビリティ株式会社
2021~2022年度
- 日本工営株式会社
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所
- 一般財団法人日本自動車研究所
- 先進モビリティ株式会社
進捗状況
乗務員乗車型レベル4での営業運行を開始するために必要となる全ての許認可の申請・取得し、2025年2月3日より乗務員乗車型レベル4自動運転移動サービスの営業運行を開始しました。
約6.1kmにわたるレベル4の自動運転は国内最長距離であり、さらに国内で一般的に使用される中型バスのレベル4自動運転としての営業運行は国内初となります。
運行区間 | ひたちBRT路線「多賀駅~おさかなセンター」のうち「河原子BRT~南部図書館」をレベル4自動運転で走行 |
---|---|
運行体制 | 茨城交通が運行 |
運行ダイヤ | 平日昼間(おおむね8:00~17:00) 現行路線バスの合間に計8便(4往復) |
運行速度 | 自動運転時の走行速度は40km/h以下 |
バス停での停車 | 専用道区間では、全バス停に停止し、乗降扱いを行う (一般道区間では通常のひたちBRTと同様に乗降客がある場合停止する) |
安全対策 | ・自動運転車両製造者である先進モビリティによる乗務員訓練を実施 ・緊急時対応も乗務員訓練で実施 ・付与された走行条件範囲外になると、車両は自動的に停止 |
乗務員乗車型レベル4自動運転移動サービスの営業運行を長期的に実施することで得られるデータや課題を踏まえ、遠隔監視型レベル4の実装に向けた検討を推進する予定です。
■運行区間

営業運行の詳細はこちら
- プロジェクト詳細(みちのりホールディングスHP)
みちのりグループ | ひたち無人自動運転バスプロジェクト - 運行ダイヤ(茨城交通HP)
ひたちBRTで自動運転バスを運行します – ニュースリリース - 茨城交通サイト< - レベル4自動運転の状況詳説(産業技術総合研究所HP)
産総研:国内初!中型バスによる自動運転レベル4営業運行を開始 - 2025年2月2日の出発式開催(経済産業省HP)
国内初!レベル4自動運転の中型バス「ひたちBRT自動運転バス」の運行サービスが開始されました (METI/経済産業省)